杜の都を拠点に活動する「ナゾモリ探偵事務所」に
ある日変わった依頼が舞い込んだ。
訪れた男は、事務所助手の少年に数枚の紙を手渡すと、
困ったような表情でこう切り出した。

「これは、建築に携わる知人からもらったものなんですがね。
なんでもそいつによると、
最近開業した『地下鉄東西線』の中に
『日本一のお宝』が隠されているらしく、
この紙はその在処を示すヒントなんだそうです。
ヒントが示す場所には小さな宝箱があるそうで、
なんとか自力で見つけてやろうとがんばってみたんですが、
私ひとりではどうしても歯が立たなくて……
探偵のみなさん、お力を貸していただけませんか？」

助手が所長に紙の束を手渡し、困ったような表情で様子を伺っていたが、所長はすぐに口を開いた。

「なるほど。契約は、成功報酬ということでよろしいですか？」

　依頼人は所長の方をじっと見つめると、重々しく言った。

「ええ、みなさんにはお礼として、発見したお宝の一部を差し上げようと思っております」

　助手の少年は、声を出さずに目を輝かせている。
　その表情を知ってか知らずか、所長は即座に決断を下した。

「分かりました。この件は我々にお任せください」

地下鉄東西線と日本一のお宝。面白そうではないか。
ナゾモリ探偵事務所に所属するあなたは、依頼人から預かった資料を片手にさっそく調査を開始した。